【修士課程】
「慢性看護学」では、慢性看護の基盤となる概念・理論に関する知識や諸研究、疾患の病態・診断・治療に関する最新の知見を学修し、慢性病とともに生活する人のQOLの向上に寄与できる高度なアセスメント技法や看護介入方法を考究します。また、慢性看護領域における新たな課題を見極め、それを解決するための看護実践を科学的に探究し、研究能力を育成します。
開講しているコース:看護学基礎研究領域「慢性看護学」
神崎初美教授(kanzaki★hyo-med.ac.jp 博士:看護学)と井上満代准教授(inoue★hyo-med.ac.jp 博士:看護学)が修士課程の教育を担当しています。
★を@に変更してメールしてください。どちらの教員も修士課程指導教官になることができます。両方の教員とも質的・量的研究・介入研究にも対応できます。
修士課程で学ぶことに自信がない、まだ学習環境が整っていない場合はまず科目履修という方法もあります。ただし、領域科目に該当する修士学生がいない年度は開講されない可能性もあります。
ご希望の教員にメールでお問い合わせ下さい。
* 現在、がん看護学は、府川晃子教授が担当となっています。慢性看護ですががん看護に関する研究やCNSコース履修をご希望される方は府川教授 fukawa★hyo-med.ac.jp にご連絡ください。
【修士課程】
「慢性看護学」では、慢性看護の基盤となる概念・理論に関する知識や諸研究、疾患の病態・診断・治療に関する最新の知見を学修し、慢性病とともに生活する人のQOLの向上に寄与できる高度なアセスメント技法や看護介入方法を考究します。また、慢性看護領域における新たな課題を見極め、それを解決するための看護実践を科学的に探究し、研究能力を育成します。
1年次前期:主に「慢性看護学特論」授業科目では、慢性看護でよく用いられる理論や概念を中心に勉強し、慢性疾患と慢性疾患患者の理解を深めます。ときには、授業の単元ごとに課題を出しますので、学生は事前に学習し授業時にプレゼンテーションを行い、参加している教員と学生とでディスカッションを重ねます。
1年次後期:主に「慢性看護援助特論」授業科目では、前期に学修した「慢性看護学特論」を応用し、実践や研究での活用の方法を学びます。
「看護学研究科事前倫理審査・指導」に研究計画書および倫理審査申請書類を提出し、指導を受けます。倫理審査書類の作成に着手するには、研究テーマが決定し研究計画の立案を終えている必要があります。実際には、1年次の後期に授業を受けながら作成を進めることになります。
2年次前期には、教員と適宜アポを取って研究の状況を報告しながら、分析を続けます。質的研究では、ほとんど一緒に分析を続けていきます。
2年次後期:看護研究のデータ収集・分析・修士論文の作成に取り掛かります。
長期履修の場合はもう少しペースがゆっくりです。長期履修は3年または4年が可能です。ただし受験時に申請が必要です。
入学後に予定よりも研究計画が進み、長期履修年限を縮めたい場合は1年生の後期1月までに申請してください。
就労しながら学ぶことができ、年限も就学に合わせて検討していける本学は学びやすいと言えます。
およそのスケジュール:
1月中旬に修士論文を提出
2月初旬に修士論文審査、最終試験
2月下旬 合格決定
3月初旬 修士研究報告会
3月15日 学位(看護学修士号)授与式
<2023年度修士修了生の論文テーマ>
・炎症性腸疾患(IBD)を有する成人オストメイトが捉えている大規模災害への不安
・入院経験のある慢性心不全患者の飲酒とのつきあい方
・COVID-19 禍における視覚障がい者の心理社会的適応に与える要因の探索
<2019年度修士修了生の論文テーマ>
・2型糖尿病患者の炭水化物摂取に関する認識
・熟練訪問看護師の24時間電話対応における緊急電話の判断と行動
<2018年度修士修了生の論文テーマ>
発症2年以内に診断された関節リウマチ患者が寛解に至る過程での治療に関する認識
<2017年度修士修了生の論文テーマ>
【慢性看護学】
慢性疾患患者の在宅移行期に訪問看護師が抱えるケア上の困難
<2016年度修士修了生の論文テーマ>
【慢性看護学】
視覚障がい者が自覚する災害時の避難行動を妨げる要因と受けたい支援
【がん看護学】
緩和ケア病棟看護師へのがん患者のせん妄に関するアセスメント能力向上のための教育プログラムの評価
【看護学部4年生対象ゼミ:慢性・がん看護学セミナー】
4年生になった方々は、「看護研究セミナー」という科目で慢性・がん領域を選択すると私たちの研究室の配属となります。
* 統合実習も同じメンバーで行きます(兵庫医科大学と明石市立市民病院で実習)
「慢性看護学」領域の研究では、慢性病とともに生活する人のQOLの向上に寄与できる研究課題を見つけその方法を計画します。
統合実習前に、研究テーマを決定し、研究テーマを意識しながら実習を行います。
<看護研究の方法>
学生は興味ある領域(統合看護実習と同領域)を選び、指導教員の支援のもとでグループ研究または個人研究を遂行します。
<研究課題領域>
慢性看護学:慢性病患者が抱える苦痛や症状・療養生活上の体験・セルフマネジメント支援・家族支援
がん看護学:がん患者の抱えるトータルペイン・診断や治療のプロセスで起こる苦悩・治療に伴う諸症状のマネジメント・家族が抱える苦悩へのケア
<2023年度卒業生の研究テーマ>
・2 型糖尿病独居高齢者のヘルスリテラシー向上を目指したプログラムによる介入研究 (プレテスト)
・人工肛門を造設した青年期クローン病患者の心理的適応
・高齢の慢性心不全患者の在宅における 療養生活を支える高齢家族の経験
・子育て期の女性関節リウマチ患者が夫に求めるサポート
・クローン病患者の再発予防のためのセルフマネジメントを促すプログラムの開発と評価
・再燃の経験を有するクローン病患者のQOL向上を目指した食事に関する介入プログラムの開発と評価
・就労6ヶ月を経過した青年期の慢性疾患患者の生活の実態と服薬アドヒアランスの関連
・ステロイドを必要とする青年期慢性疾患患者のボディイメージの変容に対するストレスマネジメント教育のプログラムの構築
・入退院を繰り返す2型糖尿病患者の家族関係の構築と食事療法の継続を目指した介入プログラムの開発と評価
<2022年度卒業生の研究テーマ>
・がん治療各期における慢性腎臓病患者の療養上の経験
・疾患に伴う言語的コミュニケーション障害を有する患者の入院生活 での看護師との関わり上の経験
・ピアサポートによる育児支援が育児中の関節リウマチ患者に与える効果に関する介入研究
・肝硬変により長期入院をしている患者が抱く希望とその維持に関する研究
・緊急血液透析となった患者の透析導入期における心理状態
・関節リウマチの手の機能向上に SARAH エクササイズを Web 動画で活用した介入効果
・関節リウマチ患者の就労セルフマネジメントを 促す個別面談介入プログラム開発と効果
・小・中学生の子どもを有する2型糖尿病女性患者の食生活における困難と工夫
・青年期クローン病患者のQOL向上を目指した食事に関する介入プログラムの開発と評価
・退職後6ヶ月未満の独居2型糖尿病患者が認知している血糖コントロールに影響を及ぼす退職後の生活の変化
・独居高齢透析患者の再調整期における療養上の経験
・ペースメーカーを植え込んだ独居の 後期高齢者の自己管理に対する認識
<2021年度学部卒業生の研究テーマ>
・関節リウマチ患者が医師に勧められた生物学的製剤治療を断る理由と背景
・クローン病患者の食行動に関するWebアプリ入力セルフモニタリングと看護師の電話介入の評価
・再燃を経験していない青年期のクローン病患者の生活体験
・インスリン療法をしている就労糖尿病患者の自己管理の経験
・健診での 高血糖指摘後も未受診であった初発2 型糖尿病患者 の 生活体験
・透析導入に対して拒否的であった高齢患者の維持透析期における経験
・肝臓がん患者が再発告知後に抱く思いと求める支援~初発告知後との相違に焦点を当てて~
・在宅療養中の肝性脳症患者を有する家族が必要としているサポートの実
・自覚症状のない心筋症患者が実施している自己管理のあり様
・化学療法や内分泌療法を受ける若年性乳がん患者の男性配偶者が抱く妊娠・出産に対する思い
<2020年度学部卒業生の研究テーマ>
SLE患者のボディイメージの変容への対処法の実際とQOLとの関係性
日本でのSLE女性療養者が抱える妊娠・出産に関する体験
入院歴がない後期高齢期にある慢性心不全患者の自己管理における工夫
糖尿病認知症高齢者のインスリン自己管理フローチャートの作成と介入
高齢の慢性心不全患者を支える家族の支援の状況と抱える困難
糖尿病患者の腎症初期における通院継続の障壁
疾患を有しない人への新たな禁煙介入モデルの構築と有用性の検証
独居高齢透析患者が透析療法を継続する上で支えられていると認知している事象
病気初期から退院期白血病患者の体験と心理プロセス
ライフヒストリーからみるがん告知を受けた高齢患者の配偶者の経験
青年期の炎症性腸疾患患者の親の病識程度を把握したうえでのテーラーメイド介入とその効果
心房細動による脳梗塞発症患者の障害受容プロセス
診断初期のクローン病患者への包括的な介入モデルの構築と有用性の検討
診断前期から合併症出現の過程で2型糖尿病患者と家族が抱える相反的心理の実際
<2019年度学部卒業生の研究テーマ>
・入院中の造血器腫瘍患者を看護する上で3年未満の看護師が感じる看護業務上の困難
・造血幹細胞移植を受けた造血器腫瘍患者の手洗い行動に影響を及ぼす要因
・クローン病患者における就業上の困難と対処の実態
・日本HIV患者の性的パートナーへのHIV感染開示に伴う葛藤や困難の様相
・診断早期の関節リウマチ患者の疾患管理に関する情報の認知度とQOの関係
・断酒に成功したアルコール依存症患者と家族が捉えている断酒のきっかけとなった華族からのかかわり
・寛解期の多発性筋炎/皮膚筋炎患者の再燃予防行動の実態
・寛解期が1年以上の潰瘍性大腸炎患者が再燃予防のために実践している療養行動と生活の質の関係性
・慢性閉塞性肺疾患患者の息切れマネジメント方略と身体活動量の関係性
・骨髄移植を受けた患者の母親役割に対する思いの経時的な変化
<2018年度学部卒業生の研究テーマ>
・思春期・青年期発症のクローン病患者の食事療法継続にかかわる要因の検討
・関節リウマチ患者の適応プロセスに関する文献レビュー
・ 独居高齢透析患者が抱える食事療法を継続する上での困難と工夫
・透析日および非透析日に外来血液透析患者が認知する疲労感と身体活動量の関係性
・慢性心不全患者が目標を持ちながらも、自己疾患と付き合い療養生活を送るために、日々行っている工夫
・糖尿病透析予防指導を受けている糖尿病性腎症初期患者の療養行動に対する動機づけにかかわる要因
・外来血液透析患者の痒みの症状マネジメントの実態
・化学療法を受ける小細胞肺がん患者のレジメン変更時の思いと看護支援の検討
・家族のサポートが乏しい終末期がん患者に対する精神的なケアに関する文献レビュー
先日、発表会ではどれも力作で驚きました!
2018年ゼミ生卒論発表会(2018.11.23発表会後の写真)↓
<2017年度学部卒業生の研究テーマ>
・寛解または低疾患活動性にある女性リウマチ患者の家庭内の役割遂行における困難感とその対処法
・関節リウマチ患者の家族が抱える介護に対する負担感
・糖尿病性多発神経障害患者の病期分類とフットケア行動に関する実態調査
・外来化学療法を受けながら幼少期の子を育てる母親の倦怠感による子育て上の問題について
・認知症高齢者のがん性疼痛尺度開発のための主観的客観的表現方法の分析
・看護師の晩期有害事象に対する介入に関するインタビュー
・ソラフェネブ投与患者に対する上下肢のストレッチによる末しょう循環促進による手足症候群の予防効果の検証
2017年ゼミ生卒論発表会↓
<2016年度学部卒業生の研究テーマ>
・慢性肝疾患患者に対する運動療法の適応
・外来通院をしている女性SLE患者の治療への向き合い方に関する体験についての分析
・若い世代の女性の筋炎の成否に関する要因について
・維持血液透析患者の終末期に向けた支援ニーズ
・心不全を有する認知症高齢者の家族が患者の悪化徴候に気づき受診が必要と考える過程
・看護学生に対する終末期がん患者のせん妄に関する教育プログラム
・緩和ケア病棟に勤務する看護師の放射線療法における晩期皮膚炎に関する教育的介入
・化学療法に対する暴露対策の現状と課題 ← 学生の卒業研究が兵庫医療大学紀要5巻2号に掲載されています。大学図書館Hpから閲覧できます。
↓ 卒論発表会
<2015年度卒業生の研究テーマ>
・SLE患者の長期療養における情報ニードに関する研究
・成人の塩分摂取の状況に関する調査研究
・糖尿病患者を持つ家族への食事療法にカルガリーモデルを活用した介入研究
・局所根治目的の粒子線療法を受ける患者の心情の変化
・外来化学療法を受ける患者に対する就労支援のあり方
・がん患者の在宅への意向に向けた看護者の意思決定支援ー病棟看護師及び訪問看護師の困難な体験と要因から支援と連携のあり方を検討ー
・がん治療中の親を持つ思春期の子どもに必要な看護ケア
2016年 研究ゼミ生と領域の教員
↓ 卒論発表会
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